「バリアフリー」とは、「Barrier:障壁」と「Free:自由な、開放された」を組み合わせた造語で、「障壁がない」というような意味に解釈されます。1960年代以降、アメリカで身体障害者に対する建築等における物理的障壁を除去するという意味で広まり、現在ではより広義に、社会生活、制度や施策、情報分野などあらゆる面における障壁の除去という意味で用いられる用語となりました。
わが国においては、「障害者プラン」のなかで、バリアフリー化の促進が明確にうたわれており、具体的には公共建築物や道路、住宅などにおける段差の解消や、車椅子が通行可能な幅員の確保、手摺や視覚障害者誘導用のブロックの整備などが進められています。
ユニバーサルデザインとは、年齢・能力・体格・障害の有無などによる区別がなく、誰もが使いやすいデザインのことであり、その考え方やプロセスの事を指します。バリアフリーデザインの考え方が、主に障害者や高齢者などの生活を不自由にしている障害を取り除こうとするものであるのに対し、ユニバーサルデザインはすべての人が安全かつ快適に、普通の生活をおくれるような環境づくりを設計段階から目指しています。
わずかの段差につまずいて転倒したり、車椅子での移動の妨げにもなります。家の中の段差をなくしたり、玄関の上り框を低くするなど設計の段階で十分な配慮が必要です。(出入り口・開口部の段差は3ミリ以内に。)
階段を使わずにすむ生活が理想ですが、敷地条件によっては不可能の場合も。であれば、昇降の安全が確保できる階段を作っておきましょう。
また、手摺はインテリア性を考慮して「後から設置しよう」と考えている場合、補強のための下地をお忘れなく。相当の力がかかる場所ですから、下地が十分でないとかえって危険です。
介助式の車椅子でも移動しやすい開口幅が必要です。また開口幅だけでなく、扉が開け閉めしやすく、出入りの邪魔にならないことも大切です。
トイレや浴室などは、介護する場合のことも考え、介助者が本人と一緒に入れるスペースを確保しましょう
どの部屋にもスムーズに移動できるよう、間取りを工夫することが大切です。特にトイレは、夜中にもよく使用するので寝室の近くに配置しましょう。
ユーティリティーコーナーには汚物処理を設けたり、浴室には介助者が操作しやすいシャワーの位置・器具を選択するなど、各水まわりでは、介護のしやすさを考慮した設備を配置しましょう。